オンロケーション方式はモップを用いて床を清拭した後、その場で水の入ったバケツでモップを濯ぎ、絞り続けて清拭作業をする方法で、言い換えると床を清拭して汚れたモップ(糸モップ)をそのままバケツに浸漬し、また同じモップで床を清拭していく方法であります。この方法は現在も多くの病院で採用されていますが、実際には2・3箇所をモップで清拭するとバケツの水は汚れ更に継続してそのバケツを使用すると、院内環境を汚染することに繋がります。また、糸モップの汚れの除去率は30%程度しかなく確実な汚れの除去はできません。
院内は不特定多数の方が行き来し、高頻度接触表面(コンタクトポイント)が多数存在します。また、水周りの清掃が不十分であると、セラチア・プチダ・緑膿菌等が発生し、院内感染の起炎菌となります。清掃が原因でこのような院内感染が起こってはならないことであり、病院清掃と他の清掃との違いを理解していなければ、このあたりの清掃が不十分になります。
手術室やバイオクリーン病室などの清潔区域は、院内において最も高い洗浄度を要求される区域であり、そのため清掃スタッフと看護スタッフとの密接な連携が必要不可欠であります。そして清掃スタッフにも専門的衛生知識や清掃技術が要求される場所となるため、病院側も清掃業者側も不安があるのが現状ではないでしょうか。また、清潔区域の清掃を実施していると言っても実際は、術後、看護スタッフが全て術式で使用した機材等を片付けた後の床清掃のみの場合も多いのが現状です。
トイレの臭いの原因は尿の飛び散りなどにより雑菌が繁殖し、時間とともにアンモニア臭を発生させているのが主な原因です。尿の飛び散りは想定外の場所にもあり、決まりきった手順のみの作業では見落としがちになります。また、対策を芳香剤で対処している現状が多く見受けられますが、発生のもとを消滅する対策を講じる事が重要であります。作業服の臭いの原因は、作業服に染み付いた皮脂や汗のタンパク質汚れが十分に落ちていないからです。管理者サイドから夏場の作業服の防臭対策の指導を行う必要があります。
「万が一の重大事象が起こっても清掃業者だから我々には出来ることもないし、関係ない!」「仕様書や基準書で定められた清掃業務だけ実施していれば、何の責任もない!」このような考え方をされる清掃業者さんは、決められた仕様書や基準書も遂行できていなければ、清掃が原因で院内感染が起こったとしても責任逃れの事後対応のみ!
起こりうる危険に対して、事前に予防清掃の一環として弊社からお客様にあった内容のサービスをご提案させて頂きます。
家庭用洗濯機でモップやクロスを洗濯している現場がほとんどで、次亜塩素酸ナトリウム0.05%溶液に1時間浸漬していなければ十分に乾燥もできていないため、モップ自体に菌が繁殖し臭いが出ている状況となっております。